海の家「宿毛」と麦わら帽子の妙高さん

提督「妙高も改二が発表されたか…」
不知火「司令。改二の育成状況はいかがでしょうか。」
提督「うーん、まだ3隻。利根と筑摩が航巡になったから、重巡の改二はうれしいんだけど、育成の時間がなぁ…」

提督は、本部からの通達書を眺めながらぼやいている。


コンコン

提督「どうぞ。」
妙高「妙高、入ります。」

執務室の扉を開けたのは、妙高だった。
本部通達の件で、ここに呼んだのであった。

妙高は右手でしっかりと敬礼してから、室内に足をすすめた。

提督「呼んだのは他でもない。先日発表された改二の件で…」

コンコン

提督が話を進めようとすると、また扉をノックする音が聞こえる。

提督「どうぞー。妙高ちょっとまっててな。」
配達「ちーす。お届け物でーす。」

配達されたのは、笹の葉が生い茂った大きな竹が2本。
あ、そうだ。本部から配達されるの今日だったっけ…
打ち合わせと時間かぶっちゃったな。

配達「ちょっと大きいんで、っとどちらに置きます?下の台とか重いんで我々で設置しますけど。」
提督「ずいぶんとでかいなー。ちょっと時間かかるかなこりゃ。不知火ちゃん?」
不知火「はい。」
提督「ちょっと、間宮さんのとこで妙高ちゃんと打ち合わせてくるから、あとたのむわ。この前みんなで書いた短冊とかも、時間あったら飾っておいて。」
不知火「了解しました。」

提督は、大きな竹を避けながら妙高と執務室を出た。

提督「まあ、間宮さんのところで何か食べながらでも話しましょう。」
妙高「はい。提督と二人で出かけるのは久しぶりですね。」

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不知火は、テキパキと指示を出し、執務室に七夕用の竹を配置する。

配達「じゃ、ここにサインお願いします。」
不知火「ご苦労様。」
配達「あざーす。」

短冊を飾り終えて、少し遠くから室内を見渡す不知火。

竹が、圧倒的に部屋に合っていない。
不知火は、本部の発注システムにアクセスして商品を覗いた。

不知火「…かわいい」

ご家庭用プール夏先取りセット

不知火は目を輝かせ、この商品に釘付けであった。

ふと、注文履歴に目をやると、すごい金額の発注履歴がある。

不知火「利根型艦装服 110着 5,500,000円、なにこれ…」

間違えて発注してしまった、利根型艦装服の発注履歴だった。
これを知っているのは、先日の秘書艦だった霧島だけである。

カチッ

マウスのクリック音が、部屋に響いた。

. . . . .
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提督「不知火ちゃん。七夕の竹飾れた?」

打ち合わせを終えた提督と妙高が、執務室の扉を開けた。
海の家 宿毛

提督「え?なにこれ。」
不知火「夏を先取りしておきました。」
妙高「あら、素敵ですね…」
提督「いや、妙高さん素敵って…海の家じゃないかこれじゃ。あれ、私の机は?」
不知火「110着といっしょに、倉庫にしまっておきました。」
提督「!?
妙高「110着?ってなんでしょうか?」
提督「いやいやいやいや。なんでもないです妙高さん。うちの鎮守府も110人もいて大きくなったなーって話をしてたんですよ。な、不知火ちゃん。」
不知火「…そういうこと、にしておきます。あと海に行きたいです。」
提督「海っていつも行ってるじゃない。」
不知火「そういうのじゃなくて、海水浴に…あ、妙高さん、110着ってのはですね…」
提督「あーあー、わ、わかった。今度みんなで連れて行くから。」
妙高「110着?」
提督「あー、いえ、なんでもないんですよ本当。ままま、せっかくですし、そこで写真でも一つ撮りましょうかね。あ、そこに立ってください。後ろの麦わら帽子がちょうど入っていいですねー。似合ってますよー。」

カシャッ

妙高さんと麦わら帽子

提督は、麦わら帽子がよく似合う、妙高さんのかわいい写真を撮ってごまかしました。

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